行政書士のなかには、こんな方々もいます。

行政書士は「街の身近な法律家」とよく言われます。自動車の運転免許をはじめ、飲食店営業許可、産廃業許可、帰化許可申請や永住許可申請など、社会の営みには数え切れないほどの許認可制度があって、その多くの場面を行政書士がサポートしているからです。

行政書士はそれぞれ、ある程度自分の専門分野をしぼって仕事をしています。その方が営業効率がよいのが最大の理由ですが、その人がそれまでに歩んできた人生が、ある認可を選ぶきっかになることも少なくありません。ここでは、私が行政書士会連合会で出会った同業さんの話をします。行政書士の仕事には人間臭い面もあって、その面白さを少しだけでもお伝えしたいからです。

●ドラッグストアでのアルバイト経験が活きた!

Aさんはドラッグストアでフリーターとして長く働いていました。仕事をするのは好きだけど、会社員としてお勤めをするのは苦手。そんなタイプの人です。でも商品のことを勉強しようとする彼の知識欲は半端じゃなくて、ドラッグストアに並んでいる薬の成分を大体知っていました。本人いわく「薬剤師級」だと。そしてAさんは、医薬品・化粧品メーカーで薬事法関連の書類を陰で支えている行政書士の仕事を知るように。自分の生涯の仕事はこれだとひらめき行政書士。Aさんは自宅で書類づくりをして一日を過ごす。そんな働き方が自分には合っていると考えています。

●自分の子どものこと、知り合った親御さんのことを考えて。

Bさんは知的障害のお子さんをお持ちでした。子どもを特別支援学校に通わせる送り迎えのなかで、同じ境遇にあるご家族とたくさん知り合いになりました。そしてきびしい話ですが、そうしたご夫婦の離婚や高齢化などの現実を知ります。この子たちの将来をどう考えたらよいのだろうと意識が向いたのが「成年後見人制度」や「相続」でした。Bさんの仕事の約半分くらいは、この分野に向いているそうです。

ほかにも、保険会社の社員から交通事故処理専門の行政書士に転身した人、繁華街の近くに移り住んで風俗業許可専業でかなり稼いでいる人など、いろんな行政書士がいます。合格・登録をして、行政書士との人脈が広がると、面白い仕事の仕方にたくさん巡り会えます。

行政書士は行政書類の専門家ですが、決して事務処理だけをする士業ではありません。
そのことが少しわかっていると、勉強意欲も一層沸いてくるかと思います。